平成27年11月1日
朝夕は冷気が身に染みる季節となりましたが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
昨年、川崎市で患者の検体から「GⅡ・17」という異なる遺伝子配列をもつ、新型のノロウィルスが発見されました。従来は「GⅡ・4」という配列でしたが、種類が変化したもようで、今年の2月には新型の検出数が従来型を上回りました。
ノロウィルスは遺伝子の組み換えが起こりやすく、多くの人が免疫を持たない新型ノロウィルスは、大流行する恐れがあります。2006年から2007年に大流行した時もウィルスの変種が要因でした。今年も流行の拡大が予想されており、特に警戒が必要です。
新型のノロウィルスでも従来型と比べ、症状や毒性に大きな違いはみられません。主症状は吐き気、嘔吐、腹痛、下痢です。このウィルスに効果のある抗ウィルス剤はありませんので、脱水症状に注意しながら、水分と栄養の補給を十分に行ってください。体内にあるウィルスをいち早く体外に排出することが回復を早めるため、下痢止め薬はなるべく服用しないでください。
また、感染した人の吐瀉物や糞便には大量のウィルスが含まれており、それらに感染された物を媒介(直接、飛沫)して二次感染に繋がり、流行を拡大させる要因にもなっております。
対策として一番有効なのは手洗いです。
調理を行う前、食事の前、トイレの後に石鹸を泡立て、温水で流水し、清潔なタオル又はペーパータオルで拭いてください。石鹸にはウィルスを消失させる効果はありませんが、手指の汚れを落とすことにより、ウィルスを剥がれ易くさせる効果があります。エタノール消毒に関しては、ノロウィルス殺菌効果はないため、手洗いが出来ない場合の補助としてお考えください。
尚、症状がでた場合には、必ずクリニックにご連絡をくださいますようご協力をお願いいたします。
「患者様第一」を心がけ、質の高い医療を提供すべく、診療に遺漏無きよう努めてまいります。何卒よろしくお願いいたします。
医療法人社団 茅ヶ崎セントラルクリニック
理事長兼院長 岩尾 總一郎