平成29年10月1日
秋の夜長、虫の音が心地よい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。秋10月は神無月で、全国の神様が出雲大社へ参集するので神様がいなくなることからこのように呼ばれるという説がありますが、どうもこれは出雲大社が言い出した俗説のようです。それでも出雲の国だけは神在月と称して大社では神在祭が行われます。神在祭では出雲大社に集まった神様が「神議（かむばかり）」という会議を開き、翌年の全ての縁を結びつけるのだそうです。ただし、これは全て旧暦による行事ですから、実際の神在祭は今年は11月の末から12月になるとのことです。
さて秋といえば月が美しい季節として、日本人は「中秋の名月」を愛でて来ました。「中秋の名月」は8月15日とされていますが、これは旧暦（太陰暦）による日付ですから、現在の暦にすると今年は10月4日になります。10月の満月は6日ですから、今年の「仲秋の名月」は満月の2日前で、少し欠けた状態の月になるわけです。
秋に満月を見るのは、空気が澄んでくることと、月の高さが夏と冬の中間で見上げるのにちょうど良い高さになることが理由だと言われています。
月々に 月観る月は多かれど 月観る月はこの月の月
ところで夜長に月を観る頃にはもう相当冷えてまいります。秋はまた、昼間と夕方以降の気温差が広がり体調管理が難しくなる季節の変わり目で、インフルエンザが発生し始める時期でもあります。インフルエンザの流行は湿度が低く空気が乾燥する12月頃からが本格的になりますが、日中と夜間の気温差が大きいので体温調節に失敗し、自立神経系や免疫系に負担が生じてウイルス量が少なくても罹患してしまうことがあるのですね。また流行が12月以降のため、インフルエンザに対して予防策をとっておらず、感染者が流行の時期ではないからと検査をせずに放置してしまって感染が広がってしまうケースもあります。
インフルエンザの感染を防ぐためには、人ごみに行く際は必ずマスクを着用し、外出から帰宅した時には必ず石鹸で手洗いをする事とうがいをすることが大事です。うがいをすることにより、喉を潤し乾燥を防ぐのと同時にウイルスの侵入口である喉の粘膜の働きを活性化することができます。もう一つは身体をしっかり休ませ、免疫力を高める事。夜更かしなどをせずにしっかりと睡眠をとり、規則正しい生活と バランスの摂れた食生活をすることにも心がけていただきたいと思います。
今後とも皆様との縁を大事にして患者様第一を心掛け、質の高い医療を提供すべく、診療に遺漏無きよう努めてまいります。
何卒よろしくお願いします。
医療法人社団 茅ヶ崎セントラルクリニック
院長 阿部 重一
