平成30年7月1日
憂鬱な梅雨も明け、夏本番がやってきますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
この時期気になるのが紫外線。紫外線により皮膚が日焼けを起こすように、目にも似たような影響を与えています。
目の角膜(黒目)には、元々、紫外線をブロックするフィルターのような役割が備わっていますが、強い紫外線は、角膜を通り越して目の奥まで届きます。角膜に強い紫外線が当たると、角膜の小さな細胞が剥げ落ちてしまい、小さな傷が無数にできて、強い痛み、充血といった症状が出ることがあります。これを紫外線角膜炎といいます。
白内障は、レンズの役割をする水晶体が濁って視力が低下し、進行すると失明の危険性もある病気です。加齢による部分が大きい病気ですが、紫外線も影響を与える1つと考えられています。
他にも、加齢黄斑変性、まぶたの腫瘍などを起こすこともあります。
また、目から入った紫外線が肌のシミの原因になることもマウスを用いて行った実験により確認されています。これは目が強い紫外線を感知すると、脳が周囲の日差しが強いと判断し、身体を守るためにメラニンを生成するというメカニズムだと考えられています。本来、メラニンは紫外線から肌細胞を守るものですが、過剰に生成されると、色素沈着を起こし、シミになってしまうのです。
では、目への紫外線対策はどうすればいいのでしょう。
- ・帽子や日傘を使う
- 紫外線が一番強くなる正午前後では、太陽が高い位置にあるため、帽子や日傘が有効です。帽子の着用により、目に入る紫外線量を約20%減少させることができると言われています。
- ・UVカット機能のついた眼鏡やサングラスを使う
- 朝や夕方などの太陽の位置が低い時間帯では、紫外線をカットできる眼鏡やサングラスの使用が効果的です。色が濃いサングラスは、視界が暗いために瞳孔が開き紫外線が目の中により多く入るため、色は薄い方が良いと言われています。
- ・目の充血や痛みを感じたら、UVケア目薬もよいでしょう
- UVカットするものではありませんが、鎮静させる効果があります。
これらを使い分けたり、併用したりすることで効果的に紫外線を防ぎましょう。
そして、異常を感じたら迷わずに病院を受診しましょう。
「患者様第一」を心掛け、質の高い医療を提供すべく、診療に遺漏無きよう努めてまいります。何卒よろしくお願いします。
医療法人社団 茅ヶ崎セントラルクリニック
院長 阿部 重一