令和元年12月1日
今年もいよいよ残りわずかとなってしまいましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
日本では、例年12月~3月が季節性インフルエンザの流行時期とされており、インフルエンザは、国の法律で感染症と指定されています。インフルエンザウイルスは1年中存在しているのに、なぜ冬になると「インフルエンザに気をつけましょう!」と予防/対策が話題となり、急に流行するのでしょうか。
この時期の環境は、インフルエンザウイルスが最も生存しやすい『温度が20度以下で湿度が20%前後』となります。逆に高温多湿の環境では、ウイルスは長く生存出来なくなります。また、気温の低い環境では、鼻やのど、気管などの血管が収縮し、外部から侵入したウイルスや細菌を体外に排出する働きが鈍くなるため、必然的にインフルエンザだけでなく色々なウイルスが体内に侵入しやすくなります。
当院では、インフルエンザの予防接種を11月上旬に実施しましたが、予防接種の効果がどのくらいあるかをご存知でしょうか。
インフルエンザに感染すると、体内にウイルスに対する抗体が作られ、免疫ができます。インフルエンザの予防接種は、ウイルスに自然に感染する仕組みと同じで、毒性を取り除いたウイルスを体内に侵入させ、免疫を作り出します。また、もともとある免疫を強化する働きもあります。
ワクチンに含まれるウイルスは不活化ウイルスといって、体内で増殖することや病気が発症することはありません。
インフルエンザの予防接種は、インフルエンザウイルスの感染を防ぐわけではありませんが、体内に抗体を作っておくことで、感染しても発症を抑えたり症状を軽くすることができます。
予防接種の効果は一般的に5ヶ月といわれており、予防効果がある抗体が作られるまでの2週間を逆算すると、遅くとも12月頃までに接種を終わらせておくことが望ましいとされています。
「患者様第一」を心がけ、質の高い医療を提供すべく、診療に遺漏無きよう努めてまいります。
何卒よろしくお願いいたします。
医療法人社団 茅ヶ崎セントラルクリニック
院長 仙賀 裕