令和3年10月1日
10月に入り、秋の声が聞こえる美しい季節が到来しましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
全国保険医団体連合会(保団連)は、歯と健康の大切さ、歯科医療の重要性を広く知ってもらおうとの趣旨で、10月8日を「入れ歯の日」に、また、この日から11月8日までを「イレバデーからイイハデー」月間に指定しており、毎年全国各地で市民講座や歯科相談会、入れ歯供養祭などが開催されています。
日本人は50歳代後半から2人に1人は部分入れ歯、75歳以上になると半数以上が総入れ歯を使用しています。しかし、これは年齢を重ねたからではなく、お口の病気が原因です。
歯を失う二大原因は歯周病と虫病です
・虫歯…虫歯になってしまった歯は、削って治療するしかありませんが、一度削ると二度と元に戻らないばかりか、その歯の寿命を縮めてしまいます。また、気づかずに放置し虫歯が進行してしまうと、神経をとったり、根の治療(根管治療)を行いますが、歯は相当なダメージを受けます。そして、歯の根の先(根尖部)に病変が残っていたりする場合が多く、歯を失うことに繋がってしまうのです。このような状態に至らないようにすることが、歯の喪失を防ぐうえで非常に重要といえます。
・歯周病…歯周病は、歯周プラーク(歯垢)の中の歯周病菌がハグキに炎症を起こし、周りの組織を破壊していく細菌感染症です。日本では30代以上の約8割が歯周病にかかっていると言われています。歯周病菌は誰もが持っている口の中の細菌ですが、年齢とともに体の抵抗力は低下し、若い時と同じような歯磨きの仕方では、中の骨まで歯周病菌が進行してしまうのです。初期症状は歯肉の腫れや出血ですが、痛みはほとんどありません。発見が遅れて、歯周病が進行してしまうと、歯を支えている骨が溶け、歯が抜け落ちてしまいます。
また、歯周病は、炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管から全身に入り、様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因となります。血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせたり(糖尿病)、肥満・血管の動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)にも関与しています。また、歯周病菌のなかには、誤嚥により気管支から肺にたどり着くものもあり、高齢者の死亡原因でもある誤嚥性肺炎の原因となる恐ろしい病気なのです。
日頃から、虫歯や歯周病にならないようにお手入れをし、定期的に歯科医でメンテナンスをしてもらい、自分の歯と健康を守りましょう。
「患者様第一」を心がけ、質の高い医療を提供すべく、診療に遺漏無きよう努めてまいります。
何卒よろしくお願いいたします。
医療法人社団 茅ヶ崎セントラルクリニック
院長 仙賀 裕