令和5年7月1日
じめじめとした梅雨がそろそろ明けて、本格的に夏になる境目です。そんな折、依然として新型コロナウイルスが沖縄で流行しているニュースなども飛び込んできており、なかなか気の休まる日々がやってこないことにやきもきしてしまいます。
さて、今日のお話は、先月6月に政府から発出された、『骨太の方針2023』についてです。「骨太の方針」とは、日本の経済社会の将来像を描く基本的な指針であり、毎年6月に閣議決定されます。今年の「骨太の方針」は、「新しい時代の日本の姿」をテーマにしており、以下の5つの柱で構成されています。
- 新しい時代の国際社会での日本の役割
- 新しい時代の産業構造とイノベーション
- 新しい時代の人づくりと社会保障
- 新しい時代の地域づくりと地方分権
- 新しい時代のエネルギー・環境政策
この中で、私が注目したいのは、第3の柱である「新しい時代の人づくりと社会保障」です。この柱では、人口減少や高齢化などに対応するために、以下のような医療分野に関する施策が打ち出されています。
- 医療費抑制と医療質向上を両立するための制度改革
- 医療人材の確保と育成を促進するための教育・研修制度の見直し
- 医療技術・医薬品・医療機器の開発・普及を加速するための規制・支援策の強化
- 医療情報・データ活用を推進するための基盤整備と倫理・法制度の整備
これらの施策は、私たちが安心して健康で長生きできるようにするために必要不可欠なものだと思います。特に、医療技術・医薬品・医療機器の開発・普及は、新型コロナウイルス感染症やその他の感染症や難治性疾患などに対抗するために重要な役割を果たします。日本は、世界でも有数の医学・医療分野の先進国であり、多くの優秀な研究者や開発者が活躍しています。政府は、これらの人材や技術を最大限に活用し、国内外に貢献できるように支援していくことが望まれますし、恐らくそのような支援を行っていくと考えられます。
また、医療情報・データ活用も、医療サービスや政策決定において大きな効果を発揮します。例えば、電子カルテやオンライン診療などは、患者や医師の利便性やアクセス性を高めます。また、ビッグデータやAIなどは、診断や治療の精度や効率を向上させます。さらに、医療データの共有や分析は、医療費の適正化や医療の質の評価に役立ちます。
私たち茅ヶ崎セントラルクリニックも毎月きちんとさまざまなデータを蓄積し、医療の質を可視化して、ホームページ等で公開しておりますが、このようなデータを基に、効率的な医療の在り方を政府主導で決定していくことになるでしょう。
しかし、医療情報・データ活用には、個人情報の保護やセキュリティの確保などの課題もあります。政府は、これらの課題を解決するために、適切な倫理・法制度を整備し、関係者の理解と協力を得るべきだと思います。
以上が、私が「骨太の方針」の医療分野における箇所を要約したものです。私は、この「骨太の方針」が、日本の医療分野における課題や可能性を示しており、実現に向けて具体的な行動を起こすことが期待されるものだと感じました。私たちは、この「骨太の方針」に基づいて、自分たちの健康や医療に関心を持ち、積極的に参加し、責任を果たしていくべきだと思います。私も、医療分野に関わる一人として、この「骨太の方針」を応援し、実現に貢献したいと考えています。
皆さんも、是非「骨太の方針」についてインターネット等で検索して調べてみて下さい。以外なことが書いてあったりして、ご自身の健康を守るための方向性が見えるかもしれません。
今後も引き続き、「患者様第一」を心がけ、質の高い医療を提供すべく、診療に遺漏無きよう努めてまいります。何卒よろしくお願いいたします。
医療法人社団 茅ヶ崎セントラルクリニック
院長 仙賀 裕