令和5年10月1日
ようやく暑さがひと段落した気配があります。朝は涼しく、日中も日が照ればやや熱く感じるところもありますが、1日を通じて過ごしやすい気温です。これがこのまま続いてくれればいいのに、とも思いますが、ふと気づくともう冬、こんな季節替わりをここ何年も感じ続けています。
さて、突然ですが、皆さんは「幸せ」について考えてみたことはあるでしょうか?
このランキングは、「一人当たり国内総生産(GDP)」や「健康寿命」「社会貢献などの寛容度」「困ったときの社会的支援」「人生選択の自由」「政権・企業の腐敗」など6つの要素から得点化したもので、国連が実施したものです。高齢化の進む日本は平均余命が世界2位と上位にある半面、「自由」(64位)や「寛容さ」(92位)などが低位で、総合では日本は58位であったそうです。主要先進国の中では最低の順位でありました。
ギリシャの哲学者や中国の思想家など、2000年以上も前から、「幸福」について論じられています。最近では心理学の分野として、幸福心理学が注目を集め、アメリカを中心に盛り上がっていたりします。「幸せ」とはなにか?どうすれば「幸せ」になれるか、この永遠のテーマについて、近年は科学的研究も増えていています。
当院でも患者さんの皆さん一人ひとりが「幸せ」を感じていただけるような、そんなクリニックにしていきたいと思っています。具体的に何をしていくか、はこれからスタッフが一生懸命考えていきます。今回は、そのベースとなる考え方を示したいと思います。
私たちは医療機関として、「幸せ」という漠然とした概念をそのまま受け取るのではなく、幸せを感じるときに分泌される脳内物質に着目した取り組みを行っていきます。
調べてみると、私たちが幸せを感じるときは、ドーパミン、セロトニン、オキシトシン、エンドルフィン、アドレナリン、ノルアドレナリン、GABAなどなんと100種類以上の幸福物質が出ていることがわかりました。そして、そのなかでも私たちの日常的な幸福感を構成する主たる幸福物質として「ドーパミン」「セロトニン」「オキシトシン」の3つが特に重要ということも把握できました。
加えて、この3つの脳内物質はそれぞれさまざまなシチュエーションで発出され、そして幸福を得るための手段として、段階を踏まえていくことが必要です。
上記の図にある成功やお金を手にした際に分泌されるドーパミンを、つながりや愛を感じた際に分泌されるオキシトシン、また心や体の健康を達成できた際に分泌されるセロトニンよりも、私たち日本人は優先してきた傾向があります。それが最初の表にもあった、日本人の幸福度の低さにつながっていると考えています。
私たちは外来透析専門のクリニックとして、ただ透析という医療を提供するだけではなく、親身な対応を通じて患者さん一人ひとりに幸せを感じてもらえるような、そんな場所、職員でありたいと思ってます。こういった医学的アプローチを通じて、皆さんに幸せを提供できるイベント、ないしは対応を職員一丸で考えて実行してまいります。
今後も引き続き、「患者様第一」を心がけ、質の高い医療を提供すべく、診療に遺漏無きよう努めてまいります。何卒よろしくお願いいたします。
医療法人社団 茅ヶ崎セントラルクリニック
院長 仙賀 裕